病院経営管理士会

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会誌(JHAC)アーカイブ

JHAC 18号

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病院経営管理士通信教育 優秀卒業論文

DPCに対応したクリニカルパスの見直しについて

福井赤十字病院 医療情報課長
川島 勇一

近年の医療機関の経営には,地域や患者のニーズに合致した質の高いサービスの提供と事業を継続していくために必要な利益を確保するための合理的なサービスの提供が求められている。これは,コストの増加とコストの縮減を同時に求めるものであり,経営的には相反する取り組みである。当院では,DPC準備病院·DPC病院への参入を契機にクリニカルパスの見直しを行い,標準的な医療の提供と適切な収益の確保を目指した。本稿では,その経過と効果について報告する。

医事課における組織改革
-パラダイムシフト-

相澤病院 病院事務部門 副部門長
鳥羽 嘉明

医事とは医療事務の略語であるが,医療における事務とはどのような職種なのか,また医事課とは組織においてどのような役割を果たしているのか,改めて医事業務のあり方について考えてみたい。
これまでの診療報酬は一貫して引き上げを堅持してきた歴史があるが,2002年度の診療報酬改定では診療報酬全体をマイナス2.7%と,過去最大の引き下げ幅を決定した。このマイナス改定以降,どの医療機関も経営改善を余儀なくされ,医事業務のあるべき姿,定義について大きく変化してきた。
このような医療情勢に対応すべく,当院がおこなった医事課における組織改革-パラダイムシフト-とその成果について報告する

回復期リハビリテーション病棟の取り組み

近森リハビリテーション病院 事務長
内田 陽子

平成24年診療報酬改定で回復期リハビリテーション病棟入院料は3区分になり,上位ランクの入院料1が新設された。回復期リハビリテーション病棟には,急性期病院からより重症の患者を受け入れ,在宅復帰を促進する役割が求められており,厳しい施設基準が設けられた。回復期リハビリテーション病棟の質がますます問われる改定となった。高知県の医療情勢を踏まえ,当院が健全経営を維持していくための取り組みについて報告する。

看護職の職場環境改善への取り組み

大分市医師会立アルメイダ病院 人事課長
恵良 鎮豊

病院では職員が働く職場環境を常に改善していかなければ,厳しい医療現場で職員の心と体は疲弊してしまい,最後には病院を離職してしまう。とくに看護職員の入れ替わりは一般的に激しいとされ,人材流出に歯止めをかけられず,さらに人材確保が滞れば,手厚い看護が要求される看護の現場で,看護職員が充足されず,その結果,患者を危険にさらす可能性もある。当院が平成18年より継続して行った,看護職員への職場環境改善の取り組みを検証しここに報告する。

中頭病院における病床マネジメント

社会医療法人敬愛会 中頭病院 臨床研修センター課長
大城 学

医療崩壊や地域医療連携など,医療情勢が変化する中で,地域の医療ニーズや要望に応えるように,組織の成長を行ってきた。しかし,患者数やニーズが増える一方で,医療計画に基づく病床数の問題により,病床利用率がここ数年100%を超える状況が続いている。医療療養環境の改善や病院経営にも直結する課題に対し,組織が一丸となって取り組んだ対策について報告する。

JHAC 17号

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病院経営管理士通信教育 優秀卒業論文

小規模事業所におけるバランスト·スコアカードの導入を試みて

かすかべ生協診療所 事務長
神田 真樹

病院のように多くの診療科や部門がある複雑なマトリックス構造の組織において,戦略に向かってベクトルをあわせて力を結集するために,BSCが有効に活かされている例はこれまでにみてきた。今回,常勤職員10人という診療所において,BSCの導入を試みた。作成の過程において経験した職員の成長や変化,今後の課題について考察するとともに,小規模事業所におけるBSC導入の可能性について報告する。

病院情報管理における第三者評価制度
―ISO/IEC 27001とプライバシーマーク制度の比較―

東京衛生病院 診療情報課 課長
今野 啓治

近年,医療機関においては診療録などのシステム化が急速に進んだ。システムの導入は,同時に今まで以上の情報管理を行う必要性を医療機関にもたらした。情報漏えい等のニュースが紙面を騒がせるなか,医療機関は有効なマネジメントシステムの構築を模索している。第三者評価制度を利用した情報マネジメントシステムの構築は有効な手法となりえるのか,また活用する評価制度によりどのような違いが出てくるのかについて考察した。

病院PFI事業による改修工事と看護部門の取り組み

前:がん·感染症センター都立駒込病院 看護部 看護担当科長
現:都立松沢病院 看護部 看護部科長
佐野 廣子

がん·感染症センター都立駒込病院は,平成21年に病院PFI事業によるRO方式での病院の改修工事に着手した。現在(平成23年4月時点)なお改修工事中であるが,この間に3度の病棟移転を行い,安全な患者移送を行った。PFI事業を実施するうえで病院職員と事業者の意見調整は非常に重要でありその成否を左右する。そのためには院内職員のコンセンサスを図るためのマネジメントが必要である。事業者と病院職員の業務分担はある程度柔軟な対応が必要である。

薬品費削減の取り組みと今後の課題

新潟南病院 理事長付参与(現:戦略企画室長)
渡部 学

多くの病院において,材料費は医業費用の20~25%を占める。この中でも,薬品費(血液及び検査用薬を除く)は材料費の50%程度を占めている。近年,費用削減の取り組みとして,現場の業務改善活動による水道光熱費などの諸経費を削減する動きが活発化している。こうした活動も一定の成果をもたらすと考えられるが,より大きな削減を目指すには,費用において大きな割合を占める薬品の適正な購入と管理方法への見直しが欠かせないと考えられる。今回,当院において薬品費の削減に取り組んだので報告する。

個室を中心とした病床管理
−患者視点からの病床稼働率向上のために−

小倉記念病院 医事課 担当課長
長浦 寛

新病院では個室が病床の半数を占め,従前とは異なる病床管理が必要となった。安心と安らぎを与える療養環境は整備されたが,今後は病床稼働率向上のため,患者の視点に立った病床管理体制の構築が急務である。新病院で取り組んだ病床管理に関する活動を紹介する。

JHAC 16号

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病院経営管理士通信教育 優秀卒業論文

良質な医療の持続的提供に向けた新たな経営改革への取り組み

岩手県立二戸病院事務局次長
菅原 朋則

国の医療制度改革に伴う医療費抑制政策や医師不足が一層深刻な状況となる中,経営状況が急激に悪化し,これまで5年~10年を単位とする中長期計画を策定し実行してきたものを,平成16年2月から5年間で集中的に改革を行うため「県立病院改革プラン」を策定し実行してきた。
当該「県立病院改革プラン」は平成20年度が最終年度となっているが,経営環境はますます厳しさを増す状況にある。加えて平成19年12月に総務省が策定した「公立病院改革ガイドライン」に定める「公立病院改革プラン」を策定し実行する必要性から,今後とも県民に良質な医療を持続的に提供するために,新たな経営計画を策定し実行していこうとするものである。

未収金管理と債権回収会社(サービサー)導入の効果

甲州リハビリテーション病院 病院管理課課長
曽根 茂男

現在,医療機関における未収金問題は,財政面で病院経営を圧迫するだけでなく,現場職員に負担をかける大きな問題となっている。当院としても例外ではなく,景気の回復が遅れる中,今後さらに未収金が増加することが懸念される。ついては,当院における未収金管理の現状を分析するとともに,債権回収会社(以下「サービサー」という)を導入した経緯とその効果について報告する。

相澤病院における診療材料購買管理の取り組み

相澤病院 総務部部長
田多井 克弘

国の厚生行政が医療費抑制策へ大きくかじを切って久しいが,公的病院ではない医療法人の病院が経営を継続するためにはコストマネジメントは避けては通れない重要な課題である。医業費用は人件費,材料費,経費に大きく分けられるが,急性期医療を担う地域の中核的病院として良質な医療を提供するために当院は積極的に職員を採用し手厚い人員配置を目指してきたため,医業費用の50%以上を占める人件費を抑制することは難しい状況であった。そこで当院は診療材料費や薬品費,業務委託契約費,機器保守契約費等の経費を徹底的に洗い直し,コスト削減の取り組みを実行してきた。ここでは当院が取り組みしてきた診療材料のコスト削減に焦点をあて,その事例を報告する。

人材確保と定着をめざした院内教育プログラムの実践

済生会山形済生病院 看護部長
高橋 千晶

新卒看護師が就職先を選択した理由の1番目に「教育·研修」が上げられているように,院内教育の充実は看護師確保と定着には重要である。当院では2004年9月から,教育ニード·学習ニードの診断結果に基づいた院内教育プログラムを展開している。この取り組みにより,経年別·役割別等それぞれの対象のニードにあった教育が明確となり,現場教育OJTと集合教育Off-JT の連携が図れてきた。また,新人看護職員の教育·支援体制にも効果を得ている。その経過を振り返り,今後の課題を検討する。

未収金への新たな取組みに対する検証について

相澤病院 外来医療事務課長
飯塚 敏之

未収金の問題はこれまでも経営上の問題として認識されてきたが,積極的な方策は立てていなかった。増え続ける未収金に対し新たに院内規定を制定し運用を明確にした。また,担当者を配置することにより一元管理が可能となり患者だけではなく,職員に対しても意識の統一を図ることにより改善を行えた過程について報告いたします。

看護部門におけるBSC導入事例

わかくさ竜間リハビリテーション病院 看護部長
平沢 直子

近年医療業界をを取り巻く経営環境は非常に厳しいものとなっている。この変化の速い経営環境のなかでトップから現場までビジョンを共有し,ミッションと経営目標を達成するための戦略を各レベルで理解し,考える経営システムであるバランスト·スコアカードをマネジメントツールとして看護部門に導入した過程を紹介する。

JHAC 15-2号

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病院経営管理士通信教育 優秀卒業論文

電話予約による外来待ち時間短縮と予約システムの効率的運用について

東京衛生病院附属教会通りクリニック 事務長
藤本 秀幸

医療機関の外来部門に対する改善要望に待ち時間の短縮がある。2005年にクリニック棟を新築する時に,診療の待ち時間短縮,サービス向上,待合スペースの縮小効率化のために診療の「当日予約」を電話でも行えるように変更し,電話対応の効率化,電話予約の効率化に取り組んできたが,改めて予約状況を調査分析し,予約システムの利便性の向上と業務効率改善について検証を行った。

医療の質向上と医療安全への取り組み

社会医療法人財団慈泉会相澤病院 医療安全推進部副部長
丸山 勝

病院がその社会的責務を果たし,医療に対する国民の信頼を得るためには,「安全な医療」の提供を確実なものにすることの重要性を職員全員が認識し,職種の壁を越えた不断の改善活動を推進していくとともに,職種間のコミュニケーションをよくしていくことが重要である。当院では,平成14年より医療安全管理を担う専門部署を設置し,安全管理のシステムを整え,安全な医療提供のための教育·研修をはじめ,病院組織の活性化や組織風土の改革を行い一定の成果が得られたので,その取り組みを報告する。

内視鏡スコープに係る経費対策への考察

大分県厚生連鶴見病院 事務部事務部長
吉良 洋一

内視鏡技術の進歩とともに新たなスコープの購入等により修繕費は年々増加し,予算管理の上で非常に苦慮している。原因分析,比較,新たなシステムの検討により経費削減への考察を行ったので報告する。

DPC導入の影響評価に関る調査への参加と包括算定の開始について

株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンター メディカルサポート部次長
小林 宏

平成15年から始まったDPCによる包括算定について,勤務する兵庫県立がんセンターにおいて平成19年度よりDPC準備病院としてDPC導入の影響評価に関る調査に参加,必要なデータの生成と提出を行った。結果,平成21年度よりDPC対象病院として認可され,同年4月よりDPCによる包括請求を開始した。

JHAC 15-1号

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病院経営管理士通信教育 優秀卒業論文

医療の質を向上させる適切な臨床指標の要件とその活用
4年間の継続測定により生まれた医療現場の変化

埼玉協同病院 診療情報課 課長
野田 邦子

医療の質を測定する臨床指標を設定し,算出評価と指標の再検討をしてきた。4年間の継続的測定·評価により,アウトカムを志向したマネジメント,職員の達成感,患者への情報提供内容に変化が現れている。適切な臨床指標の要件として,①目指す姿が表現されかつ測定可能または測定を前提とした業務構築が可能,②他施設と比較検討可能な比率の算出,③期待する結果を得る適切なプロセスの指標化,④職員の納得性などが考えられた。

地域医療確保の取り組みと今後の課題

岩手県立東和病院 事務局長
村田 幸治

多くの自治体病院にとって大きな問題は,勤務医不足による診療機能の低下とそれに伴う経営の悪化である。地域の医療を担い地域の医療を確保することを使命とする自治体病院にとって,経営の健全化は大きな問題となっている。平成19年12月に総務省から発表された公立病院改革ガイドラインは,自治体が改革プランを策定して経営改善などの病院改革に取り組むことを求めた内容となっており,当院においても対応が急務となっている。当院のこれまでの地域医療の確保と経営改善などの取り組みを検証し,今後の地域医療の確保と公立病院改革ガイドラインへの対応について考察する。

三次医療圏からの救急要請における新たな取り組み
(相澤モービルERの新たな展開)

相澤病院救命救急センター 院長補佐
小山 明英

近年,地方における病院医療の崩壊,特に救急医療の崩壊が問題となっているが,我が相澤病院が属する中信地区三次医療圏においても,比較的病院の多い松本医療圏を除く二つの二次医療圏において救急医療の受け皿となる病院が減少しており,なかにはほとんどその機能が無くなってきている地域も出てきている。そうしたなか,救命救急センターを有する当院の役割として,この状況を少しでも改善することを目的に平成20年3月より開始した当院独自の「相澤モービルERシステム」の取り組みについて報告する。

当院における子育て支援報告
―保育所の開設とその運営―

木沢記念病院 総合企画部 課長
尾関 一憲

看護配置基準7対1の導入は,多くの急性期病院において看護師の獲得競争を激化させた。その結果,看護師不足,看護師の偏在を招くこととなり,看護配置基準7対1取得のための新たな看護師として,子育て中で働くことができない「潜在看護師」に注目が集まるようになった。しかし,「潜在看護師」にとって子育てと仕事の両立のためには,“子育てをしながら安心して働ける環境=保育所”の有無が,就業選択の重要な要素となっている。また,保育所所有の有無は,病院にとっても看護師確保のための重要な要素となってきている。このような状況のなか,当院の保育所開設の経緯とその運営について報告する。